« 2012年3月 | トップページ | 2012年5月 »

2012年4月30日 (月)

ライナーノーツ【ニュースキャスター】

相模大野ACOPERでのライブ。多くの方からおほめいただいた「ニュースキャスター」ですが。

この曲、浜坂のレパートリーの中では、一番古い曲のひとつ。確か2003年の年末に作った歌だと記憶しています。

当時、毎日のように見ていたニュース番組のキャスターが引退することになり、それを機に作った歌です。

構想自体はもっと前、これも前述のニュース番組とハシゴしてみていたニュース番組の女性キャスターが、週刊誌でスキャンダル報道をされたときに、歌詞の一部を書いて、あたためていたものです。

女子アナというのは、非常に微妙な立場です。番組の進行役として、メインの男性キャスターを引き立て、自分はあくまで脇役に徹する。なのに週刊誌上では、興味本位の記事にさらされて。「バラエティばかりの女子アナならともかく、まじめにニュース読んでる女子アナすら、自由な恋愛ひとつ許されんのか!!」と、結構憤慨したのを覚えています。

報道は自由であるべきです。ですが、「戦争反対」を唱えることさえ「偏った思想」と評される歪みきった世の中で、報道さえ自由でなくなっています。報道でさえそうなのだから、私たちは、心の中に抱えた闇を、どれだけ胸の奥にしまいこんで、日々を生きていかなくてはいけないことか。

みんなの前で自分の「闇」を泣き叫びたいときもあるでしょう。また、時として人は、「自分のことを分かってほしい」と甘えてしまった人に、ついうっかり語り過ぎてしまったあげく、その人のことをもはやとりかえしのつかないくらい傷つけてしまうときもあります。島崎藤村の小説「破戒」の中で、想いを寄せる女性に対して主人公の男性が、自分の生い立ちを語りながら号泣してしまった、あの場面のごとく。

語り過ぎている人は気づかなくてはいけない。語りかけている相手も、その人なりの心の「闇」を持っていて、それを隠して生きていることに。語りたい、心を寄せたいと思う人もまた、自分に語りたい、心を寄せたいと思っていることに。語るより先に、そばにいる人の声に耳を傾けることに。時として、語り過ぎる言葉が心を寄せるのに邪魔をしてしまうことに。

本当は、俺は、私は、つらいんだ、と、ためらいなく自由に語り合える、そして受け止められる関係性を浜坂は目指しているのですが、なかなかそこには近づけません。そんな時に人が人としてできることは、相手の心の「闇」を、「おもんぱかる」ことのみです。言葉にはできないことを、仕草や表情、何気ない一挙手一投足で、想像し、理解してあげることです。このことは福祉の現場で働く私としては、とても大切なことなのですが、実はいまだに自分の弱点に感じているところです。

前述の女子アナウンサー、スキャンダル報道を週刊誌に書かれた次の日も淡々とニュースを読んでいました。その中で、いじめで自殺した子どもの通っていた学校長が、かなり前から保護者の相談を受けていたのに自殺を防げなかったことに対して「学校としての対応に誤りはなかった」と語った、というニュースを伝えていました。

VTRが終わって、女性アナウンサーにカメラが切り替わったとき。VTRが流れていたデスク脇のモニターを凝視しながら、一瞬の間を置いて「…次のニュースをお伝えします」と声をしぼり出す様に語った、あの時のあの女性アナウンサーの淋しそうな表情、視線を、私は今でも忘れることができません。

淡々とニュースを読むしか許されない人が、何か訴える手段と言えば、もはやさりげない表情や視線、仕草、それしかないじゃないですか。ましてや、自分の身に降りかかるスキャンダル報道のという火の粉の中で、他者のことをしっかりとおもんぱかることができる。自分も、限られた表現方法の中で、さりげなく、しかししっかりと自分の思いを伝えられる、そしてまた逆に、誰かが限られた表現方法で訴えるさりげないSOSを、しっかりと受け止められる人間になりたい。ならなければいけない。そんなことを、女性アナウンサーの表情を見ながら肝に命じたのを覚えています。

そんな過去を振り返りながら。今、改めて、自分自身に戒めながら。久しぶりに「ニュースキャスター」を歌わせていただきました。

ありがとうございました。

【ニュースキャスター】

1.時代の流れはレールの上の旅のよう/黙ってても変わりゆく景色のように通り過ぎる

乗り遅れるな そう叫ぶ声がこだまする/破滅へ向かい突き進む時代かも知れないのに

良識とは波を立てず普通にしていることなのかい?/中立とは他人の言葉をたれ流すことなのかい?

いつから俺たちは批判することを忘れたのかい?/いつから「仕方ない…」なんてつぶやくようになったのかい?

本当のことが誰にも言えなくなってしまったから/間違いだらけの世の中にうつむいて 口をつぐむ

だから ニュースキャスター ふとした時に見せる ニュースキャスター 淋しそうな瞳だけが

真実を 真実を 伝えているような気がします

2.誰かを好きになるのは素晴らしいことだよね?/その人に帰るべき家があったとしても

命を育むことは素晴らしいことだよね?/その子どもがどんな境遇で生まれたにしても

ヒステリックなことばかり面白がるものだから/大切なもの 俺たちは いつの間にか失くしている

だから ニュースキャスター ふとした時に見せる ニュースキャスター 淋しそうな瞳だけが

真実を 真実を 伝えているような気がします

3.ボードゲームのように兵隊を動かして/政権を倒したと笑い声を上げる

ミサイルが直撃して壊れた家の周りで/泣き叫ぶ声が 同じ地球に響く

そんなことを俺たちはどんな声で伝えればいい?/生きる望みを俺たちはどんな声で伝えればいい?

自分こそは正しいのだという もはや多すぎる声の中で/今夜も誰かが ネットの中 道連れを探している

古き良き時代のようには戻れないから/新しいものたちに祈りこめて 今日も席に就く

だから ニュースキャスター ふとした時に見せる ニュースキャスター その瞳の輝きだけが

真実を 真実を 伝えているような気がします

ニュースキャスター ふとした時に見せる ニュースキャスター その瞳の輝きだけが

真実を 真実を 伝えているような気がします

|

4月28日、相模大野ACOPER、セットリスト

すみません告知すら漏れていて、事後報告となってしまいましたが。

相模大野で、ステージ、お届けをさせていただきました。

【4月28日、相模大野ACOPER、セットリスト】

1.ニュースキャスター

2.相武台前

3.川崎球場

4.大聖寺駅

5.ふるさと

6.再会

でした。

ご来場のみなさま、ありがとうございました!

|

4月21日、引地台公園、セットリスト

すみません報告が遅くなりましたこと、おわびいたします。

【4月21日、引地台公園、セットリスト】

1.相模鉄道のバラード

2.4号線(服部祐民子)

3.東山線に黄色い電車が走っとった頃

4.少年の夢は生きている(山本正之)

5.再会

でした。

ご来場のみなさま、ありがとうございました!

|

2012年4月19日 (木)

【ライブ情報】4月21日、大和で歌います

久しぶりのブログの更新です。

野外イベントのお誘い。だけど、雨が心配です。

歌人会バックアップ公演
「遠藤翔太 壮行ライブ」

4月21(土) 14時半~
引地台公園野外音楽堂
大和市柳橋4-5000  046-260-5757
無料駐車場 160台分 完備
http://www.yamato-zaidan.or.jp/hikichidaipark
観覧無料 雨天順延(22日)

出演 遠藤翔太(仙台)/斉藤智春/浜坂英則

21日が雨天の場合は22日に同会場で開催します。21日の早朝に開催状況を歌人会HPで発表します。
http://www.milmil.cc/user/utabito/

人生におけるネクストステージへと向かうこととなった遠藤翔太の「壮行ライブ」を。

浜坂、この趣旨に賛同して、出演を決めたものです。

お待ちしています!

|

« 2012年3月 | トップページ | 2012年5月 »