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2010年8月 1日 (日)

【鉄道マニア、ニュースを読む】日本の誇り・余部鉄橋が壊されていく・・・

「約1世紀の歴史に幕 余部鉄橋」(産経新聞)

http://news.biglobe.ne.jp/social/249/san_100713_2490773294.html

鉄道マニア浜坂、全国の鉄道風景を見てきましたが、ダントツ一位に挙げていたのが、この橋です。

もう何度、ここに足を運んだことでしょうね・・・風光明媚な場所は数あれど、人生に疲れたときにフラッと訪れて、心の底から「生きてて良かった」と感じる場所は、あまりないものです。

高さ41メートル。夕方には、集落全体の屋根に、橋から伸びる影が映る雄大な景色。何より、集落の人が、この橋を誇りに思って生きている様子が、とても大好きでした。。「富国強兵」政策の下、全国に鉄道網を整備しようとする意気込みがなければ、こんな壮大な橋は生まれなかったでしょう。そんな、日本の歴史という点から見ても、重要だったこの橋。

鉄道好きのキャスター・藤富郷さんも、この橋について一筆書いていますが(2007.2.13)http://www1.news24.jp/blog/weather-column/cat17/、浜坂、ほぼこの人と同じ意見です。

浜坂の意見をまとめると、

①橋から列車が転落した事故をきっかけに橋の架け替え計画が持ち上がったものの、そもそも事故自体が橋の構造的欠陥ではなく人為的ミスによるものだったこと。

②事故以降、風速による運行停止基準が厳しくなり、橋のせいで列車が走れなくなったというものの、事故当時の1986年に走っていた特急列車はほとんどが廃止になっており、当時に比して運行停止によるダメージは格段に小さくなっていること。

③「鉄橋は老朽化もあってメンテナンス費用が膨大」という「お金の論理」で架け替えが決まってしまったこと。実は、「今あるものを保存する」という事に関しては、日本は世界でもトップクラスの技術を持っています(数年前の、阪神甲子園球場のリニューアルがその典型例です)。特急列車の多くが廃止になってしまった今こそ、この技術を活用して鉄橋に列車を走らせ続け、地域活性化のための観光資源として生かすべきでした。

藤富さんもブログの中でこう述べています。

「各地で観光資源を探している中で、みすみす自分から手放すなんてどうなんでしょうか。
朝昼夕、春夏秋冬、様々な表情を見せてくれる餘部橋梁。
何度も行ってみたいと思わせる橋でした。
コンクリートのありきたりの橋にしたら、興味を持てるかどうか…。
現在の橋も「部分的に残す」案もあるようですが、かえって中途半端で
不細工になっています。
活きている橋だからこそ、”乗って楽しめ、見て楽しめる”魅力があるんです。」

浜坂は、地元の人のことを一番心配しています。「緑の谷にそびえたる 鉄を組みたる橋の塔」と、地元・余部小学校の校歌にも刻まれるほど愛していたこの鉄橋が、コンクリートの橋に変わって、「余部の誇り」は保たれるのでしょうか?

浜坂は悔しい。地元の人がこんなにも愛していた鉄橋が。「富国強兵」の明治期日本を象徴する、歴史的に見ても世界に誇るべきだったこの橋が。日本全国の無知の中、ひっそりと壊されていく、その姿が。

東京・丸の内のビルを取り壊すことに政治家・鳩山邦夫が強行に反対した一方、この橋のことはついに見捨てられたことに、浜坂は今でも憤りを禁じえません。浜坂は「富国強兵」など、戦争につながる思想には慎重な態度を崩しませんが、旅を愛するものとして、「地域の文化の象徴が壊されていく」ことには、とても敏感です。

浜坂の憤りは、かつて滋賀県でこれも明治期の文化的建造物だった小学校校舎が、建て替えをめぐり町長の独断で破壊されたときと同じくらいと言っていいでしょう。さらには、アフガニスタンのイスラム原理主義組織タリバンが、バーミヤンの石仏を宗教的理由から破壊したときと同じくらいと言っていいでしょう。余部鉄橋は、浜坂にとって、バーミヤンにも匹敵するものでした。

アマチュアとはいえ、たくさんの人に歌を届ける立場の浜坂。鉄道に関する情景を歌にしているにも関わらず、この余部鉄橋をめぐる人々の思いを、伝えていく活動が足りなかったことに、深く反省をしています。

歴史的建造物には、それをめぐるたくさんの人々の思いが込められています。その思いを「老朽化」という言葉でもって退けて欲しくはありません。もう一度言いますが、阪神甲子園球場は改修工事を経て、さらに数十年にわたり人々の思いを受け止めようとしています。

地方にはそういった場所がたくさんあるのだ、ということを、知って欲しい。「文化、文化財の保存」という問題提起がついに全国的に盛り上がることなく、取り壊されていく姿を見るのは、余部鉄橋を最後としてほしい。

「地域主権」という言葉がクローズアップする中で、時代に逆行するようなこういったニュースに、さまざまなことを考えてしまう、浜坂です。

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